それ 本当に教会?
近年、大学構内やインターネット上で、キリスト教系のカルト・異端グループの布教が盛んに行われています。彼らは「キリスト教」を称していますが、その実体はまったく異なるものです。本物のプロテスタントのクリスチャンと、異端グループの見分け方、カルト宗教の被害実態を、『異端カルト110番』の編集長・中橋祐貴氏が紹介します。
日本の大学には韓国系、中国系のカルト宗教がたくさん入り込んでいます。彼らはエネルギッシュな若い信者を必要としています。若者を勧誘するために日々、ニーズを研究し、さまざまな手口で誘い込もうとします。
最初からカルトだとわかれば、だれも近づきません。表向きは魅力的な集まりです。そして自分たちは「どこよりも正しく聖書を教えている」と主張します。日本は世界的に見て、韓国系カルトの被害者がとても多い国です。これ以上、聖書を悪用したカルトに大切な若者の未来を奪ってほしくありません。次の内容を参考にしてください。
サークルを装った勧誘
韓国系カルトの大半は国内のほとんどの大学に入り込んでいます。彼らは“若く”“機動性に優れた”人材を欲しています。留学生(在校生)のカルト信者も少なくありません。
また、キリスト教とまったく関係がないスポーツ系、語学系、ダンス、文化交流などのサークルにカルトが潜んでいます。「潜んでいる」とはどういうことでしょうか。カルトは在校生の信者が中心となって、皆さんが関心を持ちそうなサークルを運営しています。
もちろん、表向きには普通のサークルなので不審な点はありません。いろいろなイベントを企画してメンバーや先輩と親しくなると、次第に彼らの教会や聖書の勉強に引き込むのです。
日本では、教会(宗教)であることを告げないで人々を勧誘する行為は違法と認められるケースがあります。信教の自由は保障されても、フェアではない手段でだますように誘うことはあってはならないことです。これを偽装勧誘(もしくは布教)といいます。
カルトはサークル活動で親しくなった先輩後輩の関係性や、信頼して親密になったところで、ターゲットである学生をカルトに引き込むのです。
学生の皆さんは、何か心当たりはありませんか。サークル選びも信頼できる Student Impact (日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト)のスタッフに相談されることをお勧めします。何か変だなと思ったらすぐに相談してください。
ご質問がありましたら、遠慮なくこちらのページより質問を寄せてください。
https://www.studentinjapan.com/m/per.html
サークル活動によるカルト被害例
Aさん「英会話関係のサークルに入部しました。メンバーや先輩たちはとても明るく親切で、親身に相談に乗ってくれました。パーティーやイベントも多く楽しかったです。半年くらいして、先輩が卒業生の家で鍋パーティーをやるから来ないかと誘ってきました。そこで卒業生から『聖書の勉強』を勧められたのです。あとでわかったことはサークルのメンバーのほとんどが○○というカルト信者だったということです。」
Bさん「スポーツ系サークルで周辺の大学生と交流会をもちました。気がつくと、参加者の大半がクリスチャンだと言っていました。そのまま教会活動に半ば、強制的に参加することになりました。学業より教会活動を重視すべきだと言われ、窮屈な思いをしました。」
Cさん「信頼していた大学の先輩が『良いところに連れていってあげる』と言われ、参加したのがカルトの教会の音楽祭でした。教祖がスクリーンいっぱいに映され、みな熱狂的でした。次第に先輩の言動が批判的になっていくので恐くなり、関わるのをやめました。」
これらは早期に異変を感じて自主的に抜けることができた例です。
SNSによる勧誘
特に注意が必要なのが、Twitter です。あなたが入学する大学やそれに関係する Twitter は、ほぼすべてにカルト信者が関与していると考えてください。驚きましたか?これは本当の話です。
あるカルト信者は組織の指示で「Twitter伝道」に毎日取り組んでいます。カルトは勧誘する大学に関係した Twitter をフォローして、フォロワーをすべてチェックしています。フォロワーのプロフを読めば大体の年齢や性別、関心事がわかります。そこに手当たり次第、DMを送るのです。
「僕は○○大学のOBです。このサークルに所属していました。」
「○○大学在校生向けの就活セミナーを開催しています。良かったら相談に乗ります。」
このように1対1で連絡を取ろうとしてきます。皆さんにも届いたことはありませんか?
冷静に考えれば、見ず知らずの相手からDMが送られてくることは不自然です。スパムメールのようなものです。言葉巧みに、あなたの心を開こうとしてきます。オレオレ詐欺によく似たアプローチかもしれません。とても自然で、あなたの心を鷲づかみにするキャッチです。
このようなDMには、絶対に返信をしないでください。できればブロックしましょう。LINE で友だちになると、カルトとの接点が生まれます。LINE 交換も慎重にするべきです。
Facebook のメッセンジャー機能も使い、同じように誘ってきます。他にも異文化交流型アプリ(HelloTalk=ハロートーク)なども注意が必要です。外国語に興味がある人は、気軽に登録できます。興味がある相手と連絡を取り、待ち合わせて親しくなることができます。とても魅力で便利なアプリです。ところがカルト信者は、連絡が来た相手を勧誘するために登録しています。気を許して外国人と待ち合わせてしまい、気づかないうちにカルトに引き込まれてしまう被害が後を絶ちません。たった1人のターゲットを勧誘するために5人、10人というグループで動いています。
ここ数年、DMとアプリを利用した勧誘でカルトに入信する学生信者が急増しています。大学などでも盛んに注意喚起を行っています。
他にもオンライン就活セミナー、ヨガ教室も要注意です。オンラインであろうと相手との信頼関係が生まれます。同じく宗教色は一切見えません。段々と聖書の話が出てきたり、教祖のすばらしさを称える話題を聞かされたりします。
変だと感じたら躊躇わず、退会しましょう。そのためには入会金、申し込み方法も事前によく確認してください。高額ではありませんか?
個人情報を教えすぎると、自宅や職場が特定されてしまいます。カルトは組織から離れないようにするために、執拗に追いかけてくることもあるので注意が必要です。不快な思いをしたときにも、安易に自分のソーシャル・メディアなどに書き込まないように注意してください。相手によっては、嫌がらせをしてくることもあるからです。
大学のチャペルや一般の教会、ゴスペル系のイベント参加も、十分に注意してください。カルトは一般の参加者を装いどんなところにも入り込んできます。健全な教会系の集まりにも、カルトは潜入してくるという意味です。
「どこから来たんですか?」「教会に行っていますか?」などと声をかけ、友だちになろうとします。すべての誘いを拒否することは、お勧めしません。全員がカルトではありませんから。
ただ、自分が見ず知らずの人と関わるときは、簡単に相手を信頼してはいけないという意味です。これはカルトに限らず、自分の身を守るために大切なことです。Student Impact、また当サイト「神とはじめよう」では、大学生の皆さんが健全に聖書を学び、その教えを大切にしながら健やかな毎日を過ごせるよう、お手伝いします。キャンパス・ライフについて遠慮なく、スタッフに相談してください。
カルト信者はどんな人?
カルトと言うと、ものすごく恐ろしいイメージがあるかもしれません。確かに入信して組織の虜になると、悲劇的な結末を迎えることもあります。そのような意味で、恐ろしいことは事実です。
カルトは真っ白な装束を着た教祖がいて、信者は不気味な宗教儀式をしている……。そんなイメージがあるようです。日本には、そのようなカルトはむしろ少ないと思います。不気味な宗教儀式や外見が変わっているだけで、カルトだと断定することはできません。「見た目」ではないということです。脱会に成功した人は「信者は皆、いい人たちだった」と後に感想を述べています。
カルト信者は皆さんと同じ大学生だったり、卒業生で企業に就職して普通に働く人たちだったりします。とても親切で優しい人が多いです。まじめな人も多いように感じます。見た目で判断することはできません。
特に勧誘に駆り出される信者はルックスがよく、魅力的に見えることが多いです。「いい人だから、親切だから」といった理由で簡単についていってはいけません。このページで紹介しているキリスト教を装うカルトは、韓国系、中国系です。日本人の信者が勧誘してくる場合もあれば、韓国人、中国人、最近はフィリピンなどアジア系の信者が声を掛けてくることもあります。
しかし、すべてのアジア系外国人がカルトではありません。注意していただくため、具体例をあげてここで紹介しました。
カルトの信者は教祖の命令に従って、1人でも多くの若者を何がなんでも組織に引き込もうとします。そのために時間をかけてあなたの心を油断させ、安心させて、親密な関係を作ろうとするのです。これを依存型ともいいます。相手に依存すると、簡単に抜けられなくなります。カルトを知るためには信者の見た目ではなく、情報を客観的に知り、冷静に判断することが大切です。
カルトってなに?
カルトには、さまざまな定義があります。一般に、次のように考えられています。最近では「破壊的カルト」という言葉を用いることもあります。神秘性・独裁性からさらに進んで、信者から経済的に搾取したり、詐欺的な手法で資金集めをしたり、教祖や組織への絶対服従を強要したり、学業放棄を促すなど全生活を組織のためにささげることを奨励したりして、逆らえないような心理状態に誘導して支配してしまう様態が、人格破壊や人権侵害に及ぶため「破壊的」であると捉えられるからです。
組織に没頭すると自分では気づかないうちにマインド・コントロールされてしまいます。自分で判断する力が欠如し、組織の命令に手となり足となって動き続けるのです。そうなると周囲が何を言っても聞く耳を持たないばかりか、ときに相手に攻撃的になったり、人が変わったりしてしまうのです。
組織の指示で、詐欺、だまし、嘘がまかり通っていないかという点も、そこがカルトかどうかを判断する基準の一つでしょう。教祖のために、組織が信者であろうと、外部の人たちであろうと、人権侵害行為を続けることも、カルトとして警戒する判断基準になります。
カルトに入信すると、教祖の言葉がそのまま信者の考えになります。彼らが熱狂的に活動する姿は一見異次元的で、人生に物足りなさを感じる若い皆さんには、刺激的に感じるかもしれません。しかしアメとムチの関係が、彼らを動かしているにすぎないのです。中には違法ビジネスや法に触れる反社会的な活動に加担させられる危険もあります。
大切な家族を「敵=サタン」などと教え、社会は悪、自分たちこそ最高の教えを知っていると思い込まされるのです。キリスト教を名乗るカルトは、このような問題を長年にわたり、世界中で引き起こしています。それでも信者が減らないのはなぜでしょうか。なぜ、若者は入信してしまうのでしょうか。
一つは偽装布教で、だますようにカルトに引き込むからです。本人も気づかない間に、入信してしまうケースです。もう一つは、皆さんの不安や物足りなさにつけこむからです。まるで世界を救うために自分はここに来たと、錯覚してしまいます。特別な使命感に満たされたような気分になります。窮屈な指示を受け、辛くても大勢の信者が励まし合いながら暮らしています。
辞めたくても、辞められないのがカルトです。入り口は甘く、中はとても厳しいのです。心配した家族、親戚、友人にまで被害が及ぶことがあります。たくさんの人が傷つき、苦しまなければなりません。
「まさか私が…」「まさかあの子が…。」 カルトから脱出した人たちが必ず言う言葉です。少し恐いことを書きましたが、皆さんに被害に遭って欲しくありません。
Student Impact、また当サイト「神とはじめよう」では、大学生の皆さんが健全に聖書を学び、その教えを大切にしながら健やかな毎日を過ごせるよう、お手伝いします。キャンパス・ライフについて遠慮なく、ご相談ください。https://www.studentinjapan.com/m/per.html
[著者紹介]中橋祐貴 専門サイト「異端・カルト110番」の編集長。異端・カルトによるさまざまな被害に触れ、異端・カルトに対して、正しい知識と危機感を持ってもらうことと願って活動している。「徹底した現場主義」をモットーに、丁寧な取材のもとで正確な情報を、同サイトから発信している。同時に、カルト問題の相談窓口も担当している。日本脱カルト協会会員、全国カルト対策大学ネットワーク・メンバー。
「異端・カルト110番」はこちらからどうぞ。
https://cult110.info
大学で布教活動が確認され、被害が多いカルトとして、統一協会(正式名称=天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合)、サンクチュアリ協会(正式名称=世界平和統一聖殿)、キリスト教福音宣教会(通称=摂理、クリスチャン・ゴスペル・ミッション=CGM)、新天地(正式名称=新天地イエス教証拠〈あかしの〉幕屋聖殿)、全能神教会、グッドニュース宣教会、タラッパン運動などがある。