月定献金とは何ですか?
【質問】洗礼を受けて、教会員になろうと思います。教会員になったら、「月定献金」をささげることを勧められました。「月定献金」とは何ですか。
【私たちの答え】 プロテスタントの教会の献金にはいくつかの種類があります。
・礼拝席上献金:日曜礼拝の際の感謝の献金です。礼拝の献金の時間に、カゴがまわってきて、その中にささげます。または教会堂の中の献金箱にささげる場合もあります。席上献金は入場料や参加料ではありません。金額も自由です。礼拝に参加し、1週間を守られた神への感謝を表す献金です。用意がない場合は、献金をしなくても問題はありません。
・感謝献金:特別に祈りが答えられたときにささげる献金です。またクリスマス、イースター、夏季、収穫感謝などの特別なときにささげる献金です。こちらもささげる額は自由です。礼拝堂にある特別な封筒に感謝の内容を明記し、献金のかごや献金箱、教会の銀行口座にささげます。
・特別献金・宣教献金:教会の特別な必要、宣教の特別な必要、災害支援などの特別な必要のためにささげられます。基本的に指定された用途のために用いられます。指定の封筒を用いて、献金箱にささげます。
・月定献金:毎月の収入のうちから一定額をささげる献金です。教会の維持運営のために用いられます。毎月指定の封筒、または銀行振込やクレジットカードでささげます。教会の予算をたて、働きを継続させる上で大切な献金です。
昨今、新興宗教が多額な献金を信者に課して、生活自体が破綻する被害例が社会問題となっています。「月定献金」と聞くと、「キリスト教も結局は金銭目的か…」と宗教アレルギーを感じる方がいるのも、よく理解できます。「月定献金」とは何か?聖書ではどう言っているのかを探っていきましょう。
旧約時代
「月定献金」は旧約聖書の中にも出てきます。旧約聖書の律法では、すべてのイスラエル人は収穫(収入)の十分の一を神殿に納めるように定められています(レビ27:30, 民数記18:26, 申命記14:24, 2歴代誌31:5)。収穫の十分の一のささげものが、祭司とレビ人の生活を支える基本的なシステムでした。
この基本的な「月定献金」の加えて、神殿の修繕費や、その他に自ら進んでささげる献金もありました。旧約聖書の律法のすべてのささげものの規定を、文字通りに実行すると、収入全体の20%ほどの献金になったようです。
新約では
新約聖書では、収入の十分の一ような、具体的な献金額の記載は見られません。ただパウロは、クリスチャンが「収入に応じて」その一部を、教会を支えるためにささげるように語っています(1コリント16:1, 2)。
具体的な金額の指示は、新約聖書にはありません。ただ旧約時代の収入の十分の一の献金は、一つの目安になるのかもしれません。
十分の一は目安
収入の十分の一は、基本的な目安です。パウロが語るように「自分の収入に応じて」、ときに十分の一を越えることもあるでしょう。たとえばボーナスや、臨時の収入が入る場合もあります。または、教会堂の建築や、災害への緊急援助に賛同して、特定の期間増額して、献金することもあるでしょう。
また、ときには家族の急な出費があり、十分の一を減額せざる得ないときもあるかもしれません。それは個々のクリスチャンの能力と、教会のそのときの経済的な必要によって、各クリスチャンが決めるべきものです。
「私が伝えたいことは、こうです。わずかだけ蒔く者はわずかだけ刈り入れ、豊かに蒔く者は豊かに刈り入れます。一人ひとり、いやいやながらでなく、強いられてでもなく、心で決めたとおりにしなさい。神は喜んで与える人を愛してくださるのです。」(2コリント9:7)。
ポイントは「いやいやながらでもなく」「強いられてでもなく」、自分で決めて「喜んで与える」ことが大切です。献金が負担になるのであるならば、意味がありません。
献金とは
収入の十分の一の献金は決して、生活に負担がない額ではありません。今の生活を考えると、献金するお金が手元に取っておけば、確かに生活は楽になるでしょう。
「月定献金」を毎月の収入から取り分けて準備することは、経済面でも神が私の主であることを宣言することです。「豊かに蒔く者は豊かに刈り入れます」と約束する神が、経済的に必要を感じるとき、その必要を豊かに満たしてくださると信じる、信仰の表現でもあります。
「月定献金」は、神の国に対する投資です。必ず、神は豊かな刈り取りも約束しています。その意味で「月定献金」はクリスチャンにとって、大きな祝福の機会なのです。
なぜ毎月?
なぜ毎月ささげる必要があるのでしょうか。各教会も、私たち宣教団体も、法人組織である以上、毎月の予算を立てています。長期的に福音宣教の働きを担っていくために、毎月の一定の出費が出てきます。教会員の皆さんの決まった「月定献金」が予算を立てる上でも非常に大きな助けとなります。
おささげくださる「月定献金」が、一番有効な形で、福音を人々に届ける働きに用いられるように、ぜひお祈りいただけたら、幸いです。
「月定献金」をささげる意義について、ご理解いただけたでしょうか。ぜひ「月定献金」を毎月いくらささげるか、どのようにささげるかは、真剣にお祈りいただき、ご自分で決定してくださると幸いです(ヤコブ1:5)。
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